不動産の売却益とは?課税や控除制度についても解説

不動産の売却益とは?課税や控除制度についても解説

不動産を売却して利益が出た場合、その利益には「売却益」として税金が課されることをご存じでしょうか。
この税金について正しく理解していないと、思わぬ納税負担が発生し、資金計画にも影響を及ぼす可能性があります。
売却益の計算方法を知っておけば、おおよその納税額を把握でき、事前に準備を整えることができるでしょう。
この記事では、不動産売却に伴う税金の基礎知識や、知っておきたい節税の方法について分かりやすく解説いたします。

不動産を売却したときの売却益とは

不動産を売却したときの売却益とは

不動産売却で生じる売却益は、単なる手取りではなく課税対象となる重要な所得です。
仕組みを誤解すると納税額が膨らむため、計算方法と控除の可否を把握しておく必要があります。
以下では、利益の算定方法と関連税制を整理します。

利益

売却益は「売却価格-取得費-譲渡費用」で計算します。
取得費には購入代金や仲介手数料、登記費用が含まれます。
譲渡費用は売却時の仲介手数料や測量費、建物解体費などです。
仲介手数料は「売却価格×3%+6万円+消費税」が上限となり、この金額も取得費や譲渡費用に含めることを忘れないようにしましょう。
例として、2,000万円で購入した物件を3,000万円で売却し、諸費用が100万円だった場合、売却益は900万円となります。
取得費が不明なときは、売却価格の5%を概算取得費として計上できますが、領収書を保管しておくほうが節税につながります。
概算取得費を用いると、実際より取得費が小さく算定されるため、税額が大きくなる点に注意しましょう。
利益を計算するときは、複数年にわたりかかったリフォーム費用や土地の造成費用も取得費に含められる場合があります。

税金

所有期間により税率が変わります。
5年以下は短期譲渡所得で税率39.63%、5年超は長期譲渡所得で20.315%です。
住民税は長期5%で短期9%、所得税は15%(長期)または30%(短期)に復興特別所得税2.1%が加算される仕組みです。
所有期間は譲渡した年の1月1日時点で判定されるため、年をまたぐだけで税率が半分近く下がる場合もあります。
自宅を売却する場合は「3,000万円特別控除」により課税対象を最大3,000万円まで減らせます。
売却益が2,800万円なら控除後は0円となり税負担は生じません。
控除を受けるには居住用であること、過去3年以内に同控除を利用していないこと、親族間取引でないことなどの条件があります。
災害で被害を受けた住宅を買い替える場合などは別の特例があり、併用可否も確認しておきましょう。

確定申告

譲渡所得の有無にかかわらず、売却した翌年に確定申告が必要です。
申告期限は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。
売買契約書など主要書類をそろえ、期限内に申告しましょう。
期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかるため注意が必要です。
電子申告を利用すると、控除の適用や還付処理がスムーズです。
確定申告時には、「申告分離課税用の譲渡所得計算明細書」を添付すると計算ミスを防げます。
さらに、「譲渡所得の内訳書」を提出しておくと、税務署からの問い合わせを減らせます。
申告には、マイナンバーカードとICカードリーダー、またはスマートフォン認証があれば自宅でも手続き可能です。
医療費控除やふるさと納税など、他の項目と同時に申告することも可能です。

不動産を売却したときの売却益の計算方法

不動産を売却したときの売却益の計算方法

売却益を正しく出すには、減価償却費と課税譲渡所得の2点を押さえることが欠かせません。
建物は価値が年々減少していくので、減価償却費の把握が必須です。
以下では、計算のポイントを示します。

減価償却費

建物は年数に応じて価値が下がるため、累計の減価償却費を取得費から差し引きます。
木造住宅を1,000万円で取得し、年27万9,000円を10年償却した場合、残存簿価は約721万円です。
定額法の場合、計算式は「取得価額×0.9×法定耐用年数に応じた償却率」で求めます。
鉄筋コンクリート造など構造が異なれば耐用年数も変わり、償却費も大きく異なるため注意が必要です。
鉄骨造は耐用年数34年、マンションなどの鉄筋コンクリート造は47年となり、構造ごとに償却率が異なります。
減価償却は建物本体だけでなく、給排水設備や造作部分を費用按分する方法もあり、内訳が細かいほど正確な節税が可能です。
土地は償却対象外であり、建物と別に計算します。
分離課税の観点からも、売買契約書に建物と土地の金額を明記しておくと後の計算が容易です。
賃貸経営をしていた場合は、毎年の申告書で累計額を確認できますが、記録が曖昧なときは固定資産台帳を確認すると確実です。

課税譲渡所得

課税譲渡所得の計算式は「売却価格-取得費-譲渡費用-控除額」です。
売却価格4,000万円、取得費2,000万円、譲渡費用200万円の場合、譲渡所得は1,800万円となります。
ここから特別控除などを差し引いた残りに、上記の税率が適用されます。
短期譲渡の場合は住民税9%、所得税30%に復興税を加えた39.63%が課され、長期譲渡でも20.315%となるため注意が必要です。
長期保有軽減税率の適用を受けると、所得税10%、住民税4%に抑えられる場合がありますが、所有期間10年以上などの要件があります。
他にも、課税を繰り延べできる特定の居住用財産の買換えの特例など適用できる特例があるかもしれないので確認してみましょう。
所有期間の基準日は1月1日であるため、売却のタイミングを1日延ばすだけで長期譲渡扱いに変わることもあるでしょう。

不動産売却時にかかる税金を節税する方法と控除

不動産売却時にかかる税金を節税する方法と控除

節税を図るには、特別控除の活用と売却損の救済制度を知ることが重要です。
どちらの制度も確定申告が前提となるため、要件を満たすかどうかを確認して手続きを行いましょう。
以下では、代表的な制度を示します。

特別控除

居住用財産の3,000万円特別控除を利用すると、売却益から最大3,000万円を差し引けます。
主な条件は、居住用であること、一定期間居住していたこと、期限内の確定申告の3点です。
家を空き家にしたまま3年を超えて売却すると適用外となるため、引っ越し後の売却スケジュールに注意が必要です。
親族間の譲渡や過去3年以内に同控除を利用している場合は対象外となります。
長期保有軽減税率の適用と併用でき、課税額をさらに圧縮できる可能性があります。
控除を利用すると住宅ローン控除との併用が制限されるので、総合的に試算してから申告してください。

売却損

住宅ローン残高が売却価格を上回る場合などに生じる売却損は、損益通算や3年間の繰越控除で所得税・住民税を軽減できます。
制度の正式名称は「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」です。
制度の適用期限は令和7年12月31日までです。
適用には居住用であることや継続的な申告などが必要なため、早めに専門家へ相談しましょう。
金融機関からの借入れがあること、行為の目的が節税優先でないことなど細かな要件もあるため、書類の準備段階で確認しておくと安心です。
売却損控除を利用する場合は住宅借入金等特別控除と同時に受けられないか確認が必要です。

まとめ

不動産を売却して得た利益には税金がかかるため、事前に仕組みを理解して適切な対策を講じることが重要です。
譲渡所得の計算方法や控除できる経費を把握しておけば、予期せぬ出費や損失を未然に防ぐことができます。
各種控除制度や節税策を上手に活用しながら、納税額を抑えて有利に不動産売却を進めましょう。

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NAHIRO株式会社

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